営業コンサルタントの竹本です!
前回、中小企業でも使える営業スタイルを考えていきましょうというお話しました。これから5回シリーズで営業という仕事について、考えてみたいと思います。今回はその第1回目ということで、少し俯瞰的な視点で営業という仕事を眺めてみたいと思います。
そもそも営業の起源をたどると、人類が、物と物を交換するという行為が始まった物々交換から始めないといけないかもしれませんが、さすがにこのブログではそこから話は始まりません。私が初めて営業という仕事を始めた1980年代から話を始めたいと思います。
私は20代後半で転職し、オフィスで使用するプリンターを中心に、当時はオフコンと言っていたコンピュータ及びその周辺ソフトを販売することから営業という仕事をスタートさせました。いわゆる法人営業です。当時私が勤めていた会社は、営業職として直販部門と間接販売(代理店販売)部門の二つを抱えていました。うろ覚えですが、それぞれの部隊に営業パーソンが1000人ほどいたのではないかと思います。私は直販の大手企業担当ということで、毎日商品カタログを持って訪問営業を行っていました。
それから40年間、時代を10年単位に区切って改めて営業という仕事を眺めてみると、営業スタイルは、その時代背景や顧客ニーズによって変化してきたことに気が付きます。
1980年代 足で稼ぐ
営業は「足で稼ぐ」と言われた時代です。朝8時に出勤して、事務処理を行い、10時前には外出していました。10時過ぎて社内にいると、上司から嫌味を言われたのを覚えています。世の中は、1980年半ばから始まった「バブル経済」で、顧客の購買意欲はどんどん高まっていました。その分競合他社との競争も激しく夜討ち朝駆けということが、本当にあった時代です。私も、顧客が出勤する30分前にノンアポで顧客の会社の前で待っていたことがあります。別に本当にそうする必要があったかどうか?今となってはわかりませんが、時代はそういうことを面白がっていました。
1990年代 バブル崩壊
バブル経済がはじけ、顧客の購買意欲が急激にしぼみました。予定していた受注が急にキャンセルとなったこともあります。取り込み詐欺にあった同僚もいました。インターネットの黎明期で、『御用聞き』営業や飛び込み営業に疑問が持たれはじめ、インターネットを利用して顧客が直接商品を比較できるようになった時代でもあります。Windows95が出たのもこのころです。
2000年代 インターネット普及期
インターネットはますます普及し、顧客は自ら情報を入手できる状況となりました。商品価格や仕様は、企業のホームページに掲載され、反応率の高い商品を分析し、売れる商品やサービスを効率的に営業できるようになる、と言われていました。ただし、私が所属していた大手法人営業では、表面上、ネット販売はまだまだという感覚でした。ただやたらと顧客側の情報量が増えて、それに対抗するために、提案書などの事前準備が急に大変になった記憶があります。営業の世界では、『ソリューション営業(課題解決型営業)』という言葉が一般的となり、部署の名前にもソリューション営業部という部隊ができ始めたころです
2010年代 ソリューション営業花盛り
この時、個人的に私は、IT開発子会社へ4年間の出向となります。今まで、目に見えていた商品を販売していましたが、まったく目に見えないシステム開発という商品を販売することとなります。時代はさらに進んで「顧客の課題を解決する」から、「顧客の顧客のニーズは何か」考え、提案する営業に変わってきました。それに合わせるように、BtoB営業の世界でもMA、CRM、SFA等いろいろな顧客獲得システムや効率化システムが(大企業では)導入され始めた時代です。
上記は、あくまで私個人の法人営業を通してみた、営業スタイルの変化です。BtoC営業の方や販売していた商品によってもその感じ方は違うかと思います。ただ、営業スタイルは、その時代背景や顧客ニーズに合わせて変化していくものだということには納得していただけるかと思います。
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