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新年明けましておめでとうございます。



関係各位さま


お世話になっております。中小企業診断士の小池でございます。

新年明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。本年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


昨年を振り返りますと、国内経済は大きな変化があった一年でした。新型コロナウイルスの影響は過去のもとなり、業績を伸ばす企業とそうでない企業の優勝劣敗が大きく進みました。訪日外国人旅行者は過去最高、上場企業各社は好決算が続き、結果として国の税収も過去最高となる見通しとなっています。家計可処分所得は4-6月期に333兆円となり、コロナ前である2019年の同じ期と比較して8.2%もの上昇が実現しています。日本銀行は3月にマイナス金利を解除、7月末に政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)の引き上げなどの金融政策を実施、僅かではあるもののの、「金利のある世界」へ一歩踏み込んだ年となりました。


一方、中小企業を取り巻く外部環境は厳しさを増しています。7月の金融政策変更以降、銀行・信用金庫の貸出金利はじわり上昇傾向に向かっています。また政府の経済財政政策の基本方針(いわゆる骨太の方針)において、7月以降の中小企業向け金融支援は「支援の水準をコロナ禍以前の水準に戻す」と言及されており、政府系金融機関や信用保証協会はこれに倣った対応を開始しています。

ヒトについても大きな問題をはらんでいます。現政権は2029年までに最低賃金の全国平均を1,500円(現在は1,055円)に引き上げる(毎年89円ずつ引き上げないと未達となる)方針を掲げ、現実に全国の最低賃金は上昇傾向にあります。生産年齢人口や子どもの数が減少する社会において採用・雇用環境が軟化する見通しはほぼなく、中小企業は人材戦略を抜本的に見直さざるを得ない時期をすでに迎えました。


物価水準の高騰は若干落ち着き取り戻しつつあるものの、今後の為替をはじめとした外部環境に大きく影響を受け続けます。更なる円安は物価の上昇要因となります。アメリカが利下げのペースを縮小させる見通しであり、今後の政府・日銀は極めて難しい舵取りを求められますが、内需や輸入に頼らざるを得ない中小企業にとっては厳しい物価・為替水準が続くことが予想されます。


他方で2024年末に編成された補正予算においては、中小企業向けに多額の予算が積み上げられました。ものづくり補助金などの従前の補助金に加え、新事業開発や中堅企業を目指す有力企業などに向けた新たな補助金制度が開始されます。目下の日本経済の大きな課題である生産性向上に向けては、省力化投資にかかる補助制度の運用改善が図られる予定となっています。


このような外部環境を踏まえ、中小企業経営において取り組まなくてはならないことはどのようなことがあるでしょうか。中小企業の強みを活かし、競争に勝ち抜いていくために重要なことを3点お伝えさせていただきます。


まず1つ目は改めて言うまでもありませんが、価値の創造です。世の中に存在する「問題」を見つけて「解決」する。これに尽きるのです。問題の解決こそが価値であり、事業が事業たるゆえんであると、僕は考えています。

今あらためて「誰の何を解決する事業なのか」を自らに問い、それを磨き上げる一年にしていただきたいのです。

2つ目は、生産性の向上です。もう少し簡単に言うと、価値のないことをしない、ということだと思います。銀行の窓口で並ぶ、手書きで帳簿や請求書類を作る、空のトラックを走らせる、よくわからない飲み会に参加する・・・、意外と価値の乏しいことにお金や時間を使っているのです。AIは現在急速に発展・進化を続けています。騎馬による突撃戦法から火縄銃による集団戦法に変わったような、そろばんから電卓や表計算ソフトに変わったような時代の大きな変化の中に僕達は今、存在しています。DXやIT化という言葉が喧伝されますが、今一度学びを深め、AIをはじめとしたITツールを活用し、生産性向上を続ける旅への第一歩を踏み出していただきたいと願っています。

最後の3つ目は、リアルのコミュニケーションです。人と人はやはりほとんどの場合、直接会わないと恋愛に発展することはほぼないですよね。ビジネスの世界でも同じだと、僕は考えています。新しいお客さま、自分の事業領域で先端的な取り組みをしている人、共創パートナ−となりうる方、こうした方々とリアルのコミュニケーションを深めてほしいと強く思います。SNSを活用した情報発信を否定するつもりはありませんが、中小企業が大企業に負けない強みを持っているのはこの、リアルのコミュニケーションです。自分の事業にとってのキーマンをピックアップし、こうした方々の「問題」を「解決」してあげてください。あなたを好きになってもらってください。きっとこれまで辿ってきたものと違う、新たな景色が見えてくると思います。


私個人的にも2025年は働き方を少し変化させます。リアルのコミュニケーションを大切にしながらも、より多くの方とお会いできるよう時間の使い方を見直していきます。

引き続き鮮度の高い情報提供を心がけ、中小企業経営者さまの『伴走者』として更なるレベルアップを図り、お付き合いいただく皆さまのお役に立てるよう努力してまいります。


皆さまにとって、幸多かりし一年となりますよう祈念いたしております。

メールでのご挨拶となりましたことをご容赦くださいませ。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


小池俊介

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