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顧客視点で選ばれる理由を作ろう 小野慎介




こんにちは。フォレストファームの小野 慎介です。

 

前回までのブログ投稿にて、「顧客視点の意思決定を阻害している」要因をご紹介したのち、顧客視点の重要性、そしてその徹底の難しさ、顧客視点を鍛える方法などについて案内してきました。

 

今回は「顧客視点で選ばれる理由を作ろう」と題して、顧客視点を事業に活かす取り組み方についてお話しします。

 

顧客のニーズや願望を理解し、それに応えることができる商品やサービスを提供すること。これが、市場で選ばれ続けるための基本となります。

 

その実現のために有益なビジネスツールが、「ポジショニングマップ」です。

 

ポジショニングマップとは、市場内の競合他社と自社製品を比較し、視覚的に表示するツールです。

まず一般的なポジショニングマップの作成の流れをお伝えします。

 




1. 競合分析の実施

まずは、自社製品と競合する製品をリストアップし、それぞれの製品が顧客に提供している価値を理解することから始めます。価値は、「価格」、「品質」、「使いやすさ」、「デザイン」など、さまざまな要素で構成されます。

 

2. ポジショニングマップの作成

競合分析をもとに、2つの主要な価値軸を選び出します。例えば、「大きさ」と「馬力」であれば、コンパクトで馬力も小さい製品から、大型で馬力が大きい製品までの範囲をマッピングします。このマップ上に自社製品と競合製品をプロットすることで、市場内での自社製品の位置づけが視覚的に明らかになります。

 

3. 空白領域の特定

ポジショニングマップを見ることで、市場内でまだ満たされていない顧客のニーズや、競合がカバーしていない領域が見えてきます。これらの「空白領域」を見つけることが、顧客視点で選ばれる新たな理由を作るための鍵となります。

 

これが、ありがちなポジショニングマップ作成の流れですが、これはいわゆるNG例です。

 

なぜか。「顧客視点が欠けている」からです。

これでは競争を回避したり、事業を太くしたりすることは困難です。

 

ポジショニングマップ作成の最大のポイントは、「軸選び」です。

 

競合や自社の状態を勘案して選んだ「軸」ではなく、顧客のニーズと自社の強みに立脚した「軸」を選ぶことこそが、競合にも負けない「選ばれる理由」を発見することにつながります。

 

すなわち、ポジショニングマップ作成の正しいステップは以下です。

 

1: 市場調査を行う

まず、顧客が何を求めているのか、競合他社はそれに対してどのような解決策を提供しているのかを理解するために、市場調査を行います。この情報はポジショニングマップ作成の基礎となります。

 

2: 評価軸の選定

顧客が最も価値を置く要素から1つ、そして自社が強みとする要素から1つ、評価軸を選びます。例えば、

①顧客ニーズ「価格」&強み「提供スピード」

②顧客ニーズ「品質」&強み「デザイン性」

③顧客ニーズ「評判」&強み「営業力」

④顧客ニーズ「コスト削減」&強み「ノウハウ」

などです。

 

3: ポジショニングマップの作成

選定した評価軸を基に、自社製品と競合製品をマップ上に配置します。これにより、自社製品が市場内でどのような位置を占めているか、そして顧客のニーズをどの程度満たしているかが一目でわかります。

 

4: 独自の価値提案の発見

ポジショニングマップを分析することで、市場内での自社製品のユニークな位置づけや、競合にはない独自の価値を発見できます。この独自の価値こそが「顧客視点で選ばれる理由」となります。

 

それが発見できれば、価値を磨き、顧客に訴求する、という次のプロセスへと進むことができます。

 


いかがでしょうか。

作成自体は簡単にできるので、ぜひ一度作成してみてください。

自分勝手に作っても意味がないことも、すぐに気づけるはずです。

2度目は、いかに「顧客視点に立ち、空白地帯を見つけられるか」をゴールに置いて作成してみてください。

自社の生きる道、すなわち「顧客から選ばれる理由」を見出すことができるはずです。

 

以上、今回は「顧客視点で選ばれる理由を作ろう」についてお伝えしました。

 

もし貴社のマーケティング戦略について不安があれば、フォレストファームにお声がけください。

顧客インサイトの収集やマーケティング戦略の立案など、お手伝いします。

 

本日はここまでです。

次回のブログにもご期待ください。

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