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補助金をつかった営業の功罪

営業コンサルタントの竹本です!!

今回は、少し趣向を変えて、補助金を使った営業について考察します

コロナ以降補助金をつかった営業を、特に目にするようになりました。パンデミックにより、企業はこれまで以上にコスト意識を高め、設備投資や新規事業の判断に慎重になっています。そうしたなかで、「補助金を活用すればコスト負担を軽減できる」という営業手法が一気に広まったと思います

たしかに補助金は、企業の投資を後押しする有効な手段です。しかし、その使い方によっては営業の質を落としてしまうこともあります。本稿では、補助金営業の現状と課題、そして本質的な営業提案として活用する方法について考察します。


1.コロナ以降、なぜ「補助金営業」が増えたのか?


背景には、国や自治体による補助金制度の拡充があります。


* 事業再構築補助金

* 持続化補助金

* IT導入補助金

* 業界別の感染症対策支援補助金 など


これらの制度は、コロナ禍で苦境に立たされた中小企業・小規模事業者を支えるために設計されたもので、設備投資やDX化、新規事業に踏み出す企業にとっては大きなチャンスでした。


その結果、営業現場でも「補助金を活用すれば導入コストが下がります」というアプローチが急増し、商品やサービスの導入提案とセットで語られることが当たり前になってきました。


2.補助金営業の“功と罪”


【功】


* 顧客の初期投資負担を軽減でき、背中を押せる

* 投資判断が後押しされ、商談の進展スピードが上がる

* 補助金情報を共有することで、営業担当者への信頼感が生まれる


【罪】


* 「補助金が出るなら買う」と、目的がすり替わる

* 採択されなければキャンセルされるリスクが高い

* 制度や期限に振り回され、営業プロセスが不安定になる

* 「補助金がないと売れない」依存状態に陥る


特に後者のリスクは見過ごせません。補助金は「助成」であって「販売促進ツール」ではありません。制度が終われば売れないという営業モデルは極めて危険です。


3.補助金営業に必要な視点:補助金は“後押し”、主役は“価値提案”


大切なのは、「補助金ありき」ではなく「価値提案ありき」の構造にすることです。

たとえば、以下のような順序で提案すると、説得力が高まります。


①      顧客の課題ヒアリング(業務効率化、人手不足、競争力強化など)

②      その課題に対して自社の商品・サービスがどう貢献できるかを提示

③      初期コストが課題になる場合、補助金による後押しが可能と説明


この順番を守るだけでも、顧客の受け取り方は大きく変わります。


4.提案力を高めるには「数字」と「信頼性」


提案の中に、以下のような定量的効果を盛り込むことで、補助金の有無に関わらず納得感が増します。


ü  「業務時間が年間◯時間削減され、人件費が△万円節約できます」

ü  「生産量が◯%アップ、売上が◯円増加見込みです」

ü  「投資回収期間は◯年以内です」


さらに、補助金活用に慣れていない顧客に対しては、申請サポート体制があることも安心材料となります。外部専門家と提携している実績がある、書類フォーマットを用意しているなど、信頼性ある体制をセットで伝えることが重要です。


5.補助金営業の“これから”を考える


補助金制度は、常に変化します。制度そのものが廃止・縮小される可能性もあり、特定の補助金に依存した営業モデルでは未来がありません。


今後求められるのは、「補助金があってもなくても売れる」提案力を持ちつつ、必要な場面では適切に補助金を活用できる柔軟性です。


言い換えれば、補助金は営業の“主力武器”ではなく、“戦略的な補助装置”であるべきなのです。



6.まとめ


コロナ以降、補助金を利用した営業は一般的になりました。これは営業にとっても顧客にとっても有効な手段です。しかしその一方で、補助金に頼りすぎることは、大きなリスクでもあります。


大切なのは、顧客の課題に対する価値提案を軸に置くこと。そのうえで、補助金を「導入の後押し」として活用できれば、営業の信頼性も高まり、持続可能なビジネスにつながるでしょう。



 
 
 

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