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「感覚的判断」を解消する 小野慎介




こんにちは。フォレストファームの小野 慎介です。

 

以前のブログ投稿にて、「顧客視点の意思決定を阻害している」要因には以下の要素がある、という話をしました。

 

<組織要因>

・合意形成の弊害       …部門間調整で不本意な判断

・責任回避             …前例踏襲、判断の責任から回避

 

<心理要因>

・過剰な自信           …自社商品・サービスに過剰な自信や期待

・競合意識の欠落       …自分たちが顧客を選ぶ側だというおごり

 

<マーケティング思考要因>

・顧客の不理解 …顧客ニーズを正確に理解できていない

・絞り込み不足 …対象顧客を幅広く定義

・感覚的判断           …調査やデータが不足、判断に不使用

 

今回は、その中から、「感覚的判断」の解消方法についてお伝えします。

 

ここまで、「顧客ニーズ」と「顧客属性」について、企業側がいかに理解できていないか、そして理解しておくことがいかに重要か、というお話をしました。多くの気づきがあったのではと想像します。

※ここでの「顧客」は、「既存顧客」だけでなく「見込み顧客」も含んだ言葉として使用しています。

 

今回は、それら「顧客ニーズ」や「顧客属性」をいかに正しく理解するか、という手法の話になります。

私は普段から、「顧客視点の鍛え方」として代表的な7つの手法をご紹介しています。

 


 

「顧客視点の鍛え方」の具体的な中身は以下の通りです。

 

1. 顧客インサイトの収集

2. 競合他社の利用

3. データ分析

4. 共感力の育成

5. 顧客ペルソナの作成

6. 顧客ストーリーの作成

7. 顧客からのフィードバック獲得

 

いずれも、「勝ち筋」を発見するための顧客視点マーケティングには欠かせない重要アクションですが、今回は「1.顧客インサイトの収集」「5.顧客ペルソナの作成」について言及していきます。

 

「顧客インサイト」とは何でしょうか。

それは、「顧客自身も意識していない・気がついていない動機や本音、隠れた欲求」を指す言葉です。

顕在化したニーズの奥にある潜在ニーズ。そして、その潜在ニーズのさらに奥にあるのが「顧客インサイト」です。

 


購買行動に影響を与える、本人すら気づいていない動機や欲求。

この顧客インサイトを把握できると、どんなメリットがあるでしょうか。

最大のメリットは、表面的でない本質的な顧客ニーズを知ることにより、顧客へのアプローチ方法と顧客からの反応度が圧倒的に改善します。

 

では、どのように把握するのか。

本人すら気づいていない動機や欲求なので、アンケート調査で顧客にストレートに聞いても分かりません。アンケートで得られる回答は、既に顕在化しているニーズなど本人が自覚しているものだからです。そのため、顧客への直接的な質問や行動観察といった「定性調査」を行うことで、顧客インサイトを見つけていきます。

 

具体的には「(デプス)インタビュー」と「行動観察」です。

「なぜ?なぜ?なぜ?」「例えば?」「この場合は?」「これがなかったらどうする?」など、角度を変えながら何度も顧客に質問をぶつけ、購買行動の根源には何があるのかを迫っていきます。

または、顧客の普段の行動や購買行動の様子を、外野から俯瞰的に観察します。言葉には出ない無意識的な行動から、根源的な欲求を読み取っていきます。

 

難しそうに感じましたでしょうか?

ぜひ一度挑戦してみてください。重要な情報に思いのほか容易にアクセスできることに気付くはずです。

 

続いて、「顧客ペルソナ」とは何でしょうか。

それは、「象徴的な顧客モデル」を指す言葉です。

 


この画像のようなイメージで、自社の代表的で象徴的な顧客像を具体化していきます。

この作業を行うことで、「顧客がどこにいて」「普段何をしていて」「何を気にしていて」「何と比較していて」「どんな刺激を与えると、好意的な反応を返してくれるか」などの仮説を立てやすくなる、というメリットがあります。

 

この顧客ペルソナは適当に作っては意味がありません。先入観や思い込みをいかに排除できるかが鍵です。そのため、十分な情報収集を行う必要があります。作成にはなかなかの負荷がかかります。しかし、その負担を超えるメリットを得られることを保証します。

こちらもぜひ作成に挑戦してみてください。

 

 

以上、今回は「感覚的判断」の解消方法についてお伝えしました。

 

もし貴社のマーケティング戦略について不安があれば、フォレストファームにお声がけください。

顧客インサイトの収集やマーケティング戦略の立案など、お手伝いします。

 

本日はここまでです。

次回のブログにもご期待ください。

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