こんにちは!前回と今回の2回に渡り、働き方改革への取り組みについてお話ししたいと思います。働き方改革は、企業にとっても従業員にとっても大変重要なテーマですので、ぜひ参考にしていただければと思います。
今回は具体的な施策としてフレックスタイム制度についてお話していきます。
フレックスタイム制度は大きく分けて2種類ありますが、従業員が勤務時間を自由に設定できる制度です。これを導入することには様々なメリットとデメリットがあります。また、フレックスタイム制度を導入し運用するには、いくつかの重要なステップが必要となります。
まずフレックスタイム制度の2種類、コアタイムを設定するタイプとフルフレックスタイプの説明をします。
コアタイム制度
この制度では、特定の時間帯(コアタイム)を設けます。この時間帯は全従業員が出勤する必要があります。その他の時間帯(フレキシブルタイム)は出勤時間と退勤時間を自由に設定できます。例えば、コアタイムを午前10時から午後2時までと定めると、従業員はそれぞれの生活スタイルに応じて出勤時間と退勤時間を設定できますが、コアタイム中は必ず出勤しなければなりません。この形式は、相互のコミュニケーションを維持しつつある程度の柔軟性があります。
フルフレックスタイム制度
フルフレックスタイム制度では、コアタイムが存在せず、全ての時間帯がフレキシブルタイムとなります。つまり、従業員は1日のどの時間に出勤して、どの時間に退勤するかを完全に自由に設定することができます。これにより、個々の従業員の生活リズムや働きやすい時間帯に完全に合わせることが可能になります。ただし、全員が同時に働く時間が無いため、コミュニケーションや連携の取り組みがより重要となります。
どちらの制度を導入するかは、企業の業務内容、従業員のニーズ、企業文化などによります。一部の職種や業種では、フルフレックスタイム制度が適している場合もありますし、一方で、コアタイム制度が適している場合もあります。そのため、企業ごとに最適な働き方を模索することが重要です。
それではフレックスタイム制度のメリットとデメリットをご説明します。
■メリット
個々のライフスタイルに対応できる
従業員は自身のプライベートなスケジュールや体調に合わせて働く時間を調整することができます。これにより、仕事と私生活のバランスが良くなり、ストレスが軽減されることが期待できます。
生産性向上
フレックスタイム制度では、従業員が自分の一番生産的な時間に働くことが可能になります。これにより、全体的な生産性の向上が見込まれます。
従業員満足度の向上と離職率の低減: 従業員が自分の時間をより自由にコントロールできるため、職場の満足度が向上し、離職率が低減される可能性があります。
■デメリット
コミュニケーション
すべての従業員が同時に働くわけではないため、チーム全体でのコミュニケーションやコラボレーションがとりづらくなる可能性があります。
勤務時間管理
勤務時間が各従業員で異なるため、労働時間の管理が難しくなることがあります。労働時間の透明性を保つためには、適切なシステムの導入が必要となります。
最後にフレックスタイム制度導入の手順や運用に必要なことを説明します。
現状分析
まずは現在の勤務状況を把握し、どのような課題があるのか、フレックスタイム制度が必要とされる理由を明確にします。
方針決定とルール作り
フレックスタイム制度の導入にあたり、どの程度の柔軟性を持たせるのか、核となる時間(コアタイム)を設けるのかなど、制度の詳細を決定します。この際、労働基準法等の法令遵守も重要です。
労働時間管理システムの導入
従業員の勤務時間を適切に管理するために、労働時間管理システムの導入を検討します。中小企業の場合、コストを抑えつつ適切なシステムを選ぶことが求められます。
従業員への説明と教育
フレックスタイム制度の目的や利用方法、ルール等を従業員全員に説明し、理解を深めさせるための教育を行います。
評価とフィードバック
フレックスタイム制度導入後は、定期的に評価を行い、必要に応じて改善を図ります。また、従業員からのフィードバックを収集し、制度の改善に役立てます。
以上が、フレックスタイム制度の導入にあたっての概要です。具体的な導入方法や取り組みは、企業の規模、業種、従業員のニーズなどにより異なりますので、これらの要素を考慮に入れつつメリットやデメリットを比較し、コアタイム有無、有る場合は何時に設定するのか等の計画を立ててください。
働き方改革の施策としては他にも、DX化(ツール導入)、育児・介護の両立支援の制度構築、リモートワークなどがあります。
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