【第5回】「IT化に活用できる補助金②」
フォレストファームの森です。こんにちは。
前回は、「業務の効率化」のために、各社ITベンダーが販売しているパッケージソフトウェアの導入に使える補助金として、「IT導入補助金」についてお話しました。
今回は、戦略的ITシステム構築に使える補助金として、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(以下、ものづくり補助金)の活用法についてご案内します。
<戦略的ITシステムとは>
『成長する中小企業のためのIT導入指南(第3回)』~「お金を生み出すことを目的としたIT化」~でお話しましたが、新しいサービスやビジネスモデルをシステム化し、収益を生み出すシステムのことを、私は「戦略的ITシステム」と位置付けています。
例えば、製造業であれば、価値を生み出す根幹の需要予測・生産計画と進捗管理・品質管理といった業務は他社との差別化や、製造業としてのそもそもの存在価値を生み出す重要なプロセスです。
その重要なプロセスを出来合いのシステム(パッケージシステム)を導入していたのでは、競争力が生み出せません。
そこで、そのような重要な業務プロセスのIT化では、自社だけのオリジナルシステムを作り上げていきたいのですが、費用面で導入を躊躇するのも現実的です。
そこで、そのようなオリジナルシステムを開発する際に使える補助金として、ものづくり補助金があります。
<「ものづくり補助金」はシステム構築にも使えます>
名称が「ものづくり補助金」というだけあって、典型的な使い方は、製造業では生産設備の購入や、飲食店では料理配膳ロボット”特急レーン”の導入といった(有形資産の)設備投資ですが、(無形資産である)ソフトウェア開発にも使用が認められています。
ただし、公募要領に、補助対象とならない条件として「事業の主たる課題の解決そのものを他社へ外注又は委託する事業」といった記述がありますので、企画から開発まで、いわゆる“丸投げ”で他社にお願いするのはNGです。しっかりと自社で企画・設計を行うことが必要です。
<ものづくり補助金概要>
ものづくり補助金(令和3年度補正予算分)第10次締切分の公募要領に記載されている、申請の類型を以下に掲載しました。
令和3年度補正予算分では、補助金の上限額が従業員数によって変わることや、新たに「デジタル枠」が追加されたことが特徴です。
デジタル枠では、ここ数年、国(経済産業省)が力をいれているDX(デジタルトランスフォーメーション)ですが、中小企業がDXを活用した場合には、中小企業の補助率が好条件になっているなどの優遇措置を設けています。
ただ、実際の申請や採択を勝ち取るには、その他細かな条件をクリアしていくことが必要となりますので、十分に公募要領を読み込み、新規性・収益性・実現性・継続性・社会性の観点で内容を検討することが肝要です。
<こちらも参考にしてください>
戦略的なシステム投資の場合に使える補助金として、もうひとつ、「事業再構築補助金」が選択肢としてあります。
弊社の小池が、事業再構築補助金に関して、動画にて詳しく説明しておりますので、こちらも併せて、ご覧ください。(https://www.forest-farm.jp/video)
次回からは「IT導入プロジェクト 成功の秘訣」をシリーズでお届けしていきます。
社内にシステムを導入する場合、その規模に関わらず気を付けるべきポイントはほぼ同じです。これまで、多くのシステム導入に関わってきた経験からプロジェクト成功の秘訣について5回から6回にかけて、お話していきたいと思っています。
では、次回もよろしくお願いします。
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