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『知っていると得をする「融資」を受けるためのテクニック』~ 相談するとき編(後半-②)~



みなさん、こんにちは!

フォレストファームの大川です。


今回は、『知っていると得をする「融資」を受けるためのテクニック』シリーズの第4弾としまして、相談するとき編(後半-②)をご紹介します。前回に続き、金融機関が融資審査に活用する資料についてお話しますので、ご参考になれば幸いです。


◎ 融資を相談するときに準備したい資料とは?


おさらいになりますが、金融機関が大の得意である財務分析をしてもらうために、融資相談時に準備したい資料として、以下4種類をご紹介しました。

1.決算書(3期分)

2.資金繰り表

3.合計残高試算表

4.経営(事業)計画書

前回は、1の決算書についてお話しましたが、今回は2~4の資料について、その必要性と特徴をお伝えしていきたいと思います。


2.資金繰り表

前回のとおり、決算書は「過去」の成績になりますが、資金繰り表は「現在」から「未来」に見込まれる予測値です。金融機関としては、融資をした後にきちんと返済してもらえるかが審査の最重要ポイントですので、場合によっては決算書以上に重要な資料と言えます。

資金繰り表を活用して、毎月のお金の出入り(収支)を予想し、当面(6ヶ月程度)の業況と現金の増減を把握します。大まかではありますが、収支項目は以下のとおりです。

【収入】… 1.売上高、2.雑収入、3.借入金など  ※資金繰り表では「借入金」は収入

【支出】… 1.仕入原価、2.諸経費、3.固定資産の購入、4.借入金の返済など

資金繰り表から分かる財務の大事なポイントとしては、「利益」と「現金」が必ずしも一致しないということです。最も象徴的な項目が「借入金の返済(元金部分)」です。この支出は、決算書の損益計算書には計上されません。毎月利益は出ているのに、お金がなかなか増えていないなんてことありませんか?理由はだいだいここにあるんです。借入金の返済を考慮した上で、その月の収支がプラスになるように資金繰りを考えられると良いですね。


3.合計残高試算表

略して「試算表」と呼ばれます。直近決算日の翌日から現在までの成績表で、形式は決算書と同じ「貸借対照表」と「損益計算書」で構成されます。事業は絶えず動いていますので、決算期から半年も経つと業況が大きく変わっていることも少なくありません。合計残高試算表は、この期間の営業実績と今後の見通しを説明するために活躍する資料です。

直近決算で売上が減少していたり、赤字であったりする場合に、この「試算表」がとても役に立ちます。売上が回復している理由「新しい取引先が増えた」や、利益が増加している理由「相見積もりにより仕入先を見直したら値引きができた」などを説明すると、金融機関の担当者はみんな喜んでくれるはずです。融資をするために、金融機関側は、審査でプラスになるネタを欲していますので、ポジティブな情報は積極的に提供しましょう。




4.経営(事業)計画書

最後は、融資審査資料における最高級品「経営(事業)計画書」です。

この計画書は、水戸黄門でいう「紋所」的なもので、これを提出されると金融機関は融資を断りづらくなるんです。本シリーズ第1弾の冒頭で記した「お悩み」をいっぺんに解決してしまう優れモノと言っても過言ではありません。

それが故に、中身は相当に充実したものでなければならないことも事実です。

具体的には、1.現状分析(財務面)、2.SWOT分析(自社の「強み」「弱み」「機会」「脅威」を分析)、3.アクションプラン作成(売上増加、収益改善等の具体策を明示)、4.資金計画作成(今後3~5年程度の収益計画(損益計算書の形式)および資金繰り表(現金ベース))、少なくとも、これらの項目を盛り込む必要があります。自社で作成するのはなかなか大変な作業になりますので、専門家と一緒に作成することをおすすめします。


今回はここまでになります。前回より2回に分けて、金融機関が融資審査で必要としている資料についてご紹介しました。当社では財務に関する経営相談や勉強会の実施、また経営計画書の策定支援等をサービスメニューにご用意しています。もう少し詳しく財務を学びたい、あるいは経営計画書の策定等をご希望される企業さまにつきましては、ぜひ当社までお問い合わせください。


次回は、シリーズ最終弾としまして、融資を受けたあと編をご紹介する予定です。

金融機関とのより親密なリレーションシップについてお話しますので、引き続きお付き合いいただけますと幸いです。この度もご拝読ありがとうございました。

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