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年商1億円企業の次のステップ 〜財務編⑦〜

更新日:2023年3月31日


こんにちは!

中小企業診断士/フォレストファーム取締役の小池です。

今回も前回に引き続き、損益計算書の見方について解説をしていきます。

前回までは、損益計算書に書かれている内容を、積み木方式で構造手な部分から説明をしてきました。今回は、実際の損益計算書を使って解説をしていきます。


こちらはある上場企業の損益計算書で、2期分が並んで表示されています。こうして2期並んでいると推移がわかってわかりやすいですね。2021年6月決算と2022年6月決算の計24ヶ月の売上や経費を示していて、単位は百万円単位です。


前期(2021年6月期)は売上高1,061億円だったのが、当期(2022年6月期)は売上高1,470億円となり、大幅に売上が増加(+38.5%)している企業です。しかしながら、原価率が前期22.9%に対し、当期は35.2%に急増しています。加えて販管費は988億円と前期から2222億円も増加(+29.0%)したことで営業利益は37億円の赤字(前期比▲88億円)となりました。


当期については営業外収支や特別収支に大きな項目がないため、営業利益までの数字を見ればこの会社の大きな成績の推移を捉えることができます。

特に上場企業はこのように決算の数字を公表しているため、興味を持って調べると誰もが数字を見ることができます。


貸借対照表の説明の回でも同じことを申しましたが、やはり大きな塊で捉えることが非常に重要です。細かい費目の、何百何十何円という細かい数字に気を取られると全体像を把握するのが難しくなります。まずは売上高、売上原価(原価率)、販管費という塊を把握することです。この塊の中から、その塊の中の占める割合が最大のものは何か・・・と考えることで、全体像を把握することが可能になります。


いかがでしたでしょうか。

貸借対照表も損益計算書も、あまり難しいことを書いている書類ではないのです。ですが、一年に一度しか見ないと、見方を忘れてしまいます。

経理処理をきちんとしていれば、毎月貸借対照表や損益計算書を見ることは可能です。毎月見ることで、数字を捉えるスキルもどんどん高まっていきますので、苦手な方はまずはそこから初めてみてはいかがでしょうか。

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