第2回目 情報をどう活かす?デキる営業が実践するリサーチ活用法
- 竹本 正人
- 4月18日
- 読了時間: 5分

営業コンサルタントの竹本です。
前回の記事では、営業で成果を上げるためには、「顧客」「競合」「業界」の3つの情報を事前に収集することが重要だとお伝えしました。
しかし、情報は集めるだけでは意味がありません。
本当に成果につなげるためには、それらの情報を営業の現場で「どう活用するか」がポイントになります。
今回は、「デキる営業が実践するリサーチ活用法」について解説します。
1. 営業活動において情報を活かす3つのポイント
営業活動の中で、リサーチした情報をどのように活用すれば良いのでしょうか?
成功する営業マンは、情報を「顧客に合わせた提案」に変え、「商談の場で信頼を得る」ことで、競合と差別化をしています。
具体的には、以下の3つのポイントを意識すると、商談の成功率がぐっと上がります。
① 顧客に合わせた提案を作る
集めた情報をもとに、その企業の課題について仮説を立てたうえで、「その企業にピッタリの提案」を作ることが大切です。
例えば、前回ブログに書いた企業に複合機を提案する場合を考えてみましょう。
「弊社では、この度新製品のコピー機を発表しました。この新しいコピー機は、45枚/分の出力スピードでコストパフォーマンスも良いので、ぜひ導入を検討していただけませんか?」 という営業トークでは、先ずあってももらえないと思います。なぜなら、その総務部担当者にとって、コピー機の新製品に興味はないからです。
しかし、「御社のHPを拝見させていただきましところ、SDGs経営に力を入れられているようですが、オフィスのコピー用紙を20%削減する複合機を新たに弊社では発表いたしまた。御社の取引先さまで○○様も導入いただいておりますが、一度お話をさせていただけませんでしょうか?」 というトークだと、なかなか断りにくいものです。なぜなら、SDGsの活動に力を入れていると公表しているのに、紙の削減に効果のあるコピー機についての紹介であれば、話だけは聞かざるを得ないかなと考えます。まして取引先も使っているとなると、どこでその話が、当社の関係者の耳に入るかもしれません。その時そういう話があったのに、断ったということになると、 担当者としてはまずいかなと考えてしまうものです。
このように、事前のリサーチを活かすことで、「相手の課題に合った具体的な提案」ができるようになります。
💡 ポイント
- 「御社の○○という課題を解決するために、この製品が役立ちます」と伝える
- 具体的な数値やデータを活用するとより説得力が増す
- 汎用的な営業トークではなく、「相手にカスタマイズされた提案」を作る
② 商談の場で信頼を得る
リサーチした情報を商談の中で適切に活用することで、顧客からの信頼を得ることができます。
例えば、先ほどの例ですと、事前にリサーチした情報を会話の中に織り交ぜると、相手に「しっかり調べてくれているな」と思ってもらえます。
良い商談の進め方
「貴社は、現在月間○○万枚のコピー紙を出力されているとお聞きしていますが、他社では、当社のコピー機とパソコンをLANで接続して、FAXをパソコンから送受信することで紙代と印刷代あわせて20%の削減を達成された事例があります」という提案をするとどうでしょうか?
このように、事前の情報をもとに相手の状況に寄り添った話をすることで、単なる売り込みではなく「有益なアドバイザー」として信頼を得ることができます。
💡 ポイント
- 事前に調べた情報を話の中で活用し、「相手に合わせた会話」をする
- 「この会社のことをしっかり理解している」という印象を与える
- 具体的なデータや実績を活用して、説得力を高める
2.競合と差別化し、成約率を上げる
BtoB営業では、「なぜ競合ではなく、自社を選ぶべきなのか?」を明確に伝えることが大切です。
よくある失敗例
「うちの製品は業界トップクラスの品質なので、ぜひ導入をご検討ください!」
このような説明では、他社との違いが伝わりません。
競合の情報をしっかり分析し、差別化ポイントを明確にすることで、より説得力のある営業ができます。 その場合、製品性能に大きな違いがある場合は、良いのですが、ほとんどの場合は、違いがありません。そのような場合でも、他社との違いを必ず、一つでよいので提案してください
競合との差別化を意識した提案の例
上記のケースであれば、「貴社にオフィスが近いからコピー機のトラブル時のレスポンスが早い、取引先さまにも導入していただいているので、同じ複合機同士システム連携がしやすい、当社もSDGs推進活動に参加しているので同じ活動をおこなっている」等、顧客が競合機種から切り替える理由を提供することが大切になります。
このように、競合製品と比較した具体的なメリットを伝えることで、成約率を上げることができます。
💡 ポイント
- 競合と比較し、自社の強みを明確に伝える
- 価格だけでなく、「品質・サポート・納期・耐久性」など多角的なメリットを示す
- 競合製品の弱点を指摘し、それを補う形で自社の強みをアピール
---
3. 営業で情報を活かすための実践法
営業の現場で情報を上手に活用するためには、以下の3つの習慣を身につけると効果的です。
ü 商談前に「顧客・競合・業界」の情報を整理する
→ メモやスライドにまとめ、提案の際に活用できるようにする
ü なぜ今この提案が最適なのか?」をデータで示す
→ 数値や成功事例を盛り込み、説得力のある営業トークを作る
ü 商談後に振り返りを行い、次回の営業に活かす
→ 「どの情報が効果的だったか?」「どこで話がかみ合わなかったか?」を振り返ることで、次の商談の質を向上させる
まとめ
- 営業は「売り込む」のではなく、「顧客の課題を解決すること」が大切
- 集めた情報を活用し、「顧客に合わせた仮説提案」を作る
- 商談の中で情報を活かし、「信頼を得る営業」を意識する
- 競合との差別化を明確にし、「なぜ自社を選ぶべきか?」を伝える
情報を適切に活用すれば、営業の成功率は大きく向上します。
次回の第3回では、「情報を武器にする!営業がやるべきリサーチと実践法」を解説します!
Commentaires