第1回目 「営業にとって大切な情報とは?」
- 竹本 正人
- 4月11日
- 読了時間: 5分

営業コンサルタントの竹本です。
今回は、営業にとって情報の大切さについて、お話します。
営業が成果を上げるためには、「情報収集」→「情報活用」→「実践と改善」 の3ステップを意識することが重要です。 このシリーズでは、BtoB営業における情報の重要性を3回に分けて解説します。
営業と聞くと、「とにかく訪問して話をしてこい」と考えてしまいがちですが、それは間違いです。
特にBtoB営業では、「売り込む」のではなく、「相手の課題を解決するための提案」をすることが求められます。そのために必要なのが、訪問前の情報収集です。
営業にとって「事前の情報収集」と「顧客へタイミングよく訪問するフットワークの軽さ」は、車の両輪です。
今回は、営業がまず集めるべき情報と、その具体的な調査方法について解説します。
1. なぜ営業には情報が必要なのか?
例えば、企業に複合機など、OA機器を営業に行くケースを考えてみましょう。
◆情報がない営業の例
「弊社では、この度新製品のコピー機を発表しました。この新しいコピー機は、45枚/分の出力スピードでコストパフォーマンスも良いので、ぜひ導入を検討していただけませんか?」 という電話がかかってきたらどうでしょうか?
先ず、断りますよね。コピー機なんかどこのオフィスにもあるし、古いとは言え、特に困っているわけではありません。
◆情報を集めた営業の例
「御社のHPを拝見させていただきましところ、SDGs経営に力を入れられているようですが、オフィスのコピー用紙を20%削減する複合機を新たに弊社では発表いたしまた。御社の取引先さまで○○様も導入いただいておりますが、一度お話をさせていただけませんでしょうか?」
どうでしょうか?
後者の営業の方が、相手は、断りにくいですし、メリットのある提案になっていることがわかります。
つまり、HPを事前に確認し、情報を集めることで、「売り込み」ではなく「課題解決型の提案」ができるようになるのです。
2. 営業が集めるべき3つの情報
営業の成果を上げるために、最低限以下の3つの情報を事前にリサーチしておくことが大切です。
① 顧客(ターゲット)の情報
顧客のことを知らなければ、的外れな提案になってしまいます。
まずは、「この会社はどんな課題を持っているのか?」をリサーチしましょう。
◆確認すべきポイント
- 会社の基本情報(業種・事業内容・規模)
- 経営方針やビジョン(公式サイトやプレスリリースで確認)
- 最近のニュース(新規事業や設備投資の動きなど)
- 主要取引先(どの企業と取引しているか)
◆情報の集め方
- 企業のHP・ニュースリリースをチェック
- 業界ニュースや日経新聞などで動向を確認
- SNS(Facebookなど)で担当者をチェック
💡 ポイント
「この会社は何を求めているのか?」を理解することで、相手にとって価値のある提案ができるようになります。
② ライバル企業の情報
「自社の製品がいかに優れているか」を伝えるのではなく、「競合と比較してどんな強みがあるのか?」を明確にすることが重要です。
◆確認すべきポイント
- 競合他社の製品やサービス内容
- 価格帯や提供条件(納期、サポート体制など)
- 競合製品と自社製品の違い(メリット・デメリット)
- 過去に競合と取引した場合の評価や課題
◆情報の集め方
- 競合のHPやパンフレットをチェック
- 業界ニュースや展示会で競合の動きをリサーチ
- 顧客にヒアリングし、「なぜ競合を選んだのか?」を確認
💡 ポイント
ライバル企業との違いを明確にし、「なぜ自社を選ぶべきなのか?」を伝える準備をします。
③ 業界・市場の情報
顧客が置かれている業界の状況を知ることで、適切な営業タイミングや提案内容を考えやすくなります。 特に顧客の競合会社の情報は、顧客が一番知りたい情報です
◆確認すべきポイント
- 業界全体のトレンド(市場の成長性、最新技術)
- 競合他社の情報
- 需要の増減や経済動向
- 法規制や環境基準の変更(影響を受ける企業があるか)
- 原材料価格や供給状況の変化
◆情報の集め方
- 業界ニュースサイトや新聞を定期的にチェック
- 展示会や業界セミナーに参加し、最新トレンドを把握
- 経済レポート(JETRO、経済産業省など)を活用
💡 ポイント
「なぜ今この提案をすべきなのか?」の根拠を持つことで、顧客に納得感を与えられます。
3. 営業前の情報収集を効率化する方法
「忙しくてリサーチする時間がない!」という営業初心者の方でも、効率的に情報を集める方法があります。
ü Googleアラートを活用する(指定した企業・業界の最新ニュースを自動通知)
ü 業界専門メディアをフォロー(日経新聞、業界紙など)
ü SNSで情報を収集(企業の公式アカウントや担当者の投稿をチェック)
ü 営業管理ツール(CRM)を活用(過去の商談履歴や競合情報を一元管理)
💡 ポイント
情報収集は「やるべきことを習慣化する」ことが大切です
まとめ
- 営業で成果を上げるには、「事前の情報収集」が不可欠です
- 「顧客」「競合」「業界」の3つの情報を集めることで、相手に合った提案ができます
- 「売り込む営業」ではなく、「相手の課題を解決する営業」を目指すことが大切です。
営業は、「顧客へ訪問して話す」ということが大切ですが、そのためにも、事前にしっかりと情報を集めて「相手にとって価値のある提案」をすることを意識していきましょう!
次回の第2回では、「デキる営業は情報をどう活用しているのか?」について詳しく解説します!
Comments