【第24号】「~ドン・キホーテに学ぶ商品開発のポイント~」
フォレストファームの森です。こんにちは。
もりブログでは、月刊誌などに取り上げられた話題から、IT、経営、販売促進などの中小企業の経営に役立つ情報をお届けしています。
もりブログ第24号となる今回は、日経トレンディ(2023年3月号)で「徹底調査 ドン・キホーテ ヒットの裏側」といった、ドン・キホーテのPB(プライベートブランド)の開発秘話などが紹介されていましたので、そこから商品開発のポイントなどを考察してみたいと思います。
<躍進するドン・キホーテ>
日本全国だけでなく、ハワイやシンガポール、マレーシアなどのアジアにも店舗を持つ「驚安の殿堂」ドン・キホーテ(運営会社:パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)は、誰もが知っているお店の一つですね。なんと、1980年の設立以来、2022年6月期までの33期連続で増収・増益を達成中だとか。最近は様々な生活用品・食料品の値上がりが話題になっていますが、日本は長らくデフレに苦しんできた中で、この業績は驚くしかありません。
その好調な業績を支えている要因のひとつに、PB(プライベートブランド)「情熱価格」の成功にあるとのことです。
早速、HPを見てみると、食品、衣料品、家電、コスメ、アウトドア製品などなど、実にさまざまなカテゴリー(記事によると約200のジャンル)の商品が開発されているんですね。
出典: ドン・キホーテHPより
<商品開発のコンセプトは「とがる」「刺さる」「突き抜ける」>
PBの開発を手掛けるドン・キホーテの商品担当者(マーチャンダイザー、MD)曰く、「必ずしも万人受けする必要はなく、「とがる」「刺さる」「突き抜ける」の3拍子が揃った商品をひねり出すことを常に考えていると」との記載がありました。
この発想というのは、中小企業の商品開発のコンセプトに、そのまま通ずるところがありますね。
まず、お客様(ターゲット)を明確に区分け(セグメント)して、そのお客様が欲するであろう商品の機能や特徴を「際立てる・特化させる」ということを、徹底してやろうということです。
この考え方は、経営資源に限界がある中小企業が積極的に取り入れたい方法論ですね。
この商品は、22年のPB売上ランキング1位「素煎りミックスナッツDX」。なんと22年の年間売り上げ高が11.1億円という大ヒット商品だとか。「情熱価格」ブランドはどの商品も、パッケージに面白い、長文のキャッチコピーが付けられているのも特徴的です。
出典: ドン・キホーテHPより
<常にお客様の声を聞いて、商品改良に取り組む姿勢が凄い>
こんな、大ヒット商品を生み出すのは、偶然に出ている訳ではありません。そこには、常にお客様の声を聞いて、改良に改良を重ねる、実直な企業努力があります。
ドン・キホーテでは、お客様の声を商品開発に反映する仕組みを「ダメ出しの殿堂」と呼んでいます。
「お客様の声は宝の山」とは良く言いますが、商品開発や経営者の立場から言うと、耳が痛いことに向き合うのは、とてもストレスが掛かることですが、それに向き合うことを仕組みとして持っていることが凄いことですね。
成果の一例として、冷凍パスタの「ヤバ盛り」シリーズで、お客様のダメ出しの声で一番多かったのは、量に対する不満だったとか。『「ヤバ盛り」っていうんだから、もっと量を増やして欲しい』。『全然、「ヤバ盛り」じゃない」』といった厳しい声が多数あったとのこと。その声に真摯に取り組み、製造元工場と何度もやり取りして、原価を抑えながら量を増やすことに成功したことで、売上が1.36倍のヒット商品になりました。
この、「ダメ出しの殿堂」の取組も、中小企業とは言わず、お客様の声を真摯に聞いて改善に取り組むといった、どの企業も学びたいポイントですね。
出典: ドン・キホーテHPより
今回は、商品開発のポイントについて、見てみました。いかがでしたでしょうか。では、また次回、お会いしましょう。
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